【仮想通貨取引所】FTXのfunding rateなどについて
株含めてデリバティブ取引の経験がなかったので、Funding Rate(資金調達率)を含め、どのような特長があるのか備忘録とする。今回は、仮想通貨取引所のひとつFTXを取り扱う。
取り扱うもの
FTX
Funding Rate
Funding Rateとは?
ざっくりした理解は、定時ごと手数料が加算/減算されていく仕組み・・・
ただ、取引所ごとに徴収タイミングやレート計算が違うとのこと。
- 取引所ごとに手数料計算が異なる
- 取引所ごとに徴収タイミングが異なる
- 現物と先物の価格乖離を減らす方向に働く手数料
- ポジションによって受取り側になるか支払い側になるか変わる
FTXのFunding Rate(FR)は?
BTC-PERP(BTC無期限先物)
文字通り期限のない先物取引。 そのため、FR徴収タイミングが短時間で設定されている。
- 取引タイミング 1時間ごと
FR手数料支払い
FR正値 FR負値 ロングが支払い ショートが支払い FR計算
先物TWAPとインデックスTWAPの差分から手数料を求めている。
つまり、これは先物とインデックスの乖離を表している。
TWAPf - TWAPi > 0 (乖離プラス) TWAPf - TWAPi < 0 (乖離マイナス) ロングが支払い ショートが支払い
手数料 = size * (TWAPf - TWAPi) / 24 size : ポジションサイズ TWAPf : 先物の1時間TWAP TWAPi : インデックスの1時間TWAP
そもそも、TWAPって??
TWAPを計算してみる
検証するのは、 TWAPf - TWAPiの計算結果。
ポジション0.01を保持したまま放置し、そのときのFRと手数料のデータを取得する
先物とインデックの1分間隔のOHCLをFTXから取得する
これは、ドキュメントに1時間TWAPと記載されていたため、1分足くらいで良いかと判断したので。
TWAPf - TWAPiを比較する
OHCLから算出したTWAPから算出したものと手数料から逆算した結果を比較する。
結果をみる・・・
- 右から3列目:手数料から逆算したTWAP乖離値
- 右から2列目:1分足Closeで算出したTWAP乖離値
- 右から1列目:3列目と2列目の差分
最右列diff値が小さく、1分足CLOSEでTWAPを計算しても問題はなさそう。
完全に一致していない理由は、TWAP定義にあるように、期間内にあるすべての取引価格の単純平均をとっていないからだと考えられる。つまり、1分サンプリングでは、情報が欠けているので、近しい値にしかならない。
手数料の適用タイミングは?
1時間ごとに徴収されること、取引所UIには次回資金調達時刻がhh:mm:ss
表記となっていることから、hh:59:59
までの保持ポジションが徴収対象となると予想できる。
実際に、そのようになっているか検証してみる。
検証1
hh:59:ss
においてポジション保持するhh:00:ss
においてポジションを閉じるFR徴収されているか確認する
検証2
hh:58:ss
においてポジション保持しておくhh:59:ss
においてポジションを閉じるFR徴収されているか確認する
検証結果
検証1 | 検証2 |
---|---|
徴収対象 | 徴収対象でない |